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車体更新工事の変遷

 投稿者:原口 悟  投稿日:2020年11月29日(日)01時31分10秒
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  皆さんこんばんは

先に62系アコモ改造車の背景について話題になりましたが、関連して、「車体更新」の変遷を考えてみました。

 車体更新は、鉄道省~国鉄では昭和10年から始まった木造省電の鋼体化から始まりましたが、同時期に、木造車を抱えていた大手私鉄でも鋼体化が始まっています。これについて、RP00-4増刊「釣掛電車の響き」P116~「昭和40年代の中部地方の電車」で紹介されています。その中で、「HL車」の更新について


木造車の鋼体化と言えば、昭和初期の国電50系をはじめとする東武、近鉄、南海の例に続き、昭和20年代は国鉄60系客車の大群が想起される。この民鉄版としては名鉄3700系、近鉄5800系、西鉄20系などがあり、明治、大正期に創業した大手私鉄が等しく経てきた道である。一方で、小田急など自社発注の木造車を持たない民鉄では、こうした経過は無く、この関連でも大手私鉄車両史を見直してみる価値もありそうだ(P118)


とあります。
 これを踏まえて、時代ごとの車体更新工事の類型を次のようにまとめて見ました。

昭和10年代:自社の大正期の電車運転開始時の車を種車とした、鋼体化
昭和20年代:自社および合併私鉄の木造車時代末期の車を種車とした、鋼材、部品を流用あるいは実質的に名義だけを使った、「大型車体への標準化」を伴う鋼体化
昭和30年代:自社及び合併私鉄の昭和初年代の初期の鋼製車を使った、「大型車体への標準化」を伴う新造車体への交換
昭和40年代:昭和20年代初頭の物資不足期の粗製車体の補強を兼ねた、新製車体への交換
昭和50年代:昭和30年代の旧性能車末期から、初期新性能車の車の補強を兼ねた新製車体への交換

という感じになると思います。
 昭和10年代の木造車の鋼体化は、南海電鉄の例が、「鉄道史料」22号に掲載されています。当時の南海の車は、WHの50HPモーターを装備した電5形まで、GEの70HPモーターを装備した高野線の車、GEの100HPモーターを装備した電7形に大まかに分けられます。これらのうち、最初に鋼体化の対象になったのは50HPモーターの電1形で、モーターと台車を流用するため、15m級の小型車になりました(モハ121形、昭和6~8年)。その後、昭和10年から末期は南海貴志川線や水間鉄道での活躍が有名な1201形が登場しましたが、車体を18m級としたため、台車とモーターは流用せず、新製(台車はボールドウィンのD形、モーターはGE, 三菱の75kwのもの)になりました。同時期の省と比べると、南海は、古い方の車を使い、主要機器を新製交換したのに対して、省は、新しい方の車両を使い、主要機器をそのまま転用、という際立った違いが認められます。これについては、省は車体寸法と機器が、木造車末期に高度に規格化されたため、機器と台枠をそのまま転用しても鋼製車とほぼ同じ規模、性能の車が出来たことが背景にあると考えられます。
 昭和20年代の鋼体化は、「輸送力増強」という背景もあり、典型的なのは秩父鉄道と富士山麓が上げられると思います。特に秩父鉄道は鋼体化で、15m級の木造車が17m級の鋼製車になっており、同数の車でも輸送力が増加しています。国鉄の60系客車も、20m級への大型化が行われており、大型車への規格化としては考えが似ています。
 昭和30年代以降の車体更新は東武鉄道が典型的で、3000系列の更新車は、いろいろな形式があった昭和戦前の車の大型車体への統一化、7300形の更新は、国鉄の全金更新車と同時期で、構造が弱体な63形由来の車の鋼体の強化、という背景では類似しています。7800形から5000系列への更新は、旧性能車末期の車の新型車体への交換になります。同時期の国鉄では、昭和30年代はスハ32系ダブルルーフ車を種車としたオハネ17形の製造、昭和40年代は73系を種車とした荷物電車の製造、昭和50年代はスハ43系を種車としたスユニ50形の製造が行われており、昭和40年代まで台枠流用が続いていますが、スユニ50形では、もはや台枠は利用せず、純粋に車体を新造して、部品を移植する方式に転換しています。台枠の流用、部品流用が多かったのも、国鉄の車両が高度に規格化されていたことが背景と思われます。
 
 
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